インタビュー
今回は地域ブランディング研究所の代表、吉田さんにお話を伺いました。「日本のまちの誇りをもっと後世に残していきたい」という想いの元、日本全国のまちづくりを手掛ける地域ブランディングさんのビジョンや働き方についてインタビューをさせていただきました。Q.:まずは地域ブランディングの事業の概要を教えてください。吉田さん:弊社はまちづくりをテーマに複数の事業を行っています。地域ソリューション事業は地域に徹底的に入り込み、まちの魅力・誇りを発掘・発信していく事業です。現場に足を運んで魅力を発掘し、マーケティング戦略を設計していきます。売れる商品を作って販路に乗せ、恒常的に売上が立つ仕組みを作って地域ブランディングをサポートする事業になっています。今までは東京からの地方出張が中心でしたが、コロナを機に地方常駐拠点として中部・関西・中四国・九州へのメンバーの移住や現地採用を取り入れました。また、オンラインミーティングも増えています。地域ソリューション事業の一つの柱としてインバウンド事業があります。地域の魅力発信のターゲットを国内のみならず外国にも向けています。・体験予約プラットフォーム「Attractive JAPAN」のページはこちらhttps://attractive-j.com/experiences・AttractiveJAPANラボのページはこちらhttps://chibra.co.jp/taiken/メディアを運営して海外向けに発信していくほか、海外の旅行代理店とも連携しながら海外の方に向けてまちの魅力を発信しています。弊社はまちづくり・地域創生を担っていく人材の育成・啓蒙・マッチングを全て一貫してやっていこうと考えています。普段から地域関係の分野で活躍されている方から学べる機会を提供する活動を行なっているのですが、その中で面白い取り組みを行っている企業を学生に紹介する機会を提供しています。・まちづくりに関わる学生のためのポータルサイト「MACHIBIYA」https://machibiya.com/Q.:リモートワークを導入する前後の経緯を教えてください。吉田さん:コロナウイルスの流行以前から地方出張者が多かったので、チャットワークなどの活用やオンラインビデオツールでのミーティングを積極的に活用していました。さらに採用面談も一部オンラインを取り入れており、リモートワークをする上でのインフラが整っている状況でした。コロナ自粛期間を機に、2月の時点ですぐに全社的なリモートワークを導入しました。一部浅草オフィスでの事務が必要なメンバー以外は在宅にシフトしました。Q.:現在のリモートワークの体制はどのようになっているのでしょうか?吉田さん:現在も業務はほとんどリモートで行なっています。リモートワークの導入で出勤時間や移動時間が減った分業務に使える時間が増えたこともあり、コロナ対策の意味だけでなく、今後も基本的にはリモートワークを中心として業務を行っていこうと考えています。制作業務など、オフィスよりも在宅で集中できる業務担当の人はフルリモートに近い働き方になっています。インターン生やパートスタッフもかなりリモート化しています。一方でリアルなコミュニケーションの必要性を感じる部分もあり、週1-2回出社しているメンバーもいます。吉田さん:コロナウイルスによって世の中全体でオンライン会議が認められるようになったのは、弊社にとってかなり影響が大きいですね。今まではどうしても対面でのミーティングが多かったものが、本当に必要なもの以外全部リモートになりました。社内のメンバーの予定をカレンダーで共有し、社内・社外問わずミーティングをたくさん組めることによってスピード感がものすごく上がりました。今までやっていたイベントもオンライン化することによって全国各地から誰でも参加できるようになり、参加人数がとても増えました。直近ではインターンの参加人数や観光体験シンポジウムで過去最高の突き抜けた参加人数を記録することができました。吉田さん:弊社では今回のコロナ禍を受け、リモート化と地方移住の二つの促進が加速しました。全国各地にクライアントがいる関係で、現場の近くにメンバーがいるのが理想的です。そのため地方移住やUターンで地元に帰りたいと希望する人に対して積極的に支援をしています。会社として全国的に地方拠点整備を進めていく方針のもと地方移住を推進していて、地元在住者の採用も実施しています。Q.:なるほど!こちらはどう言った経緯で進められたのでしょうか?吉田さん:この取り組みの第一弾は広島で始まりました。きっかけは1人の社員が去年の春、家庭の事情で広島に移住したいという希望を伝えてくれたことが始まりです。その社員は社内で活躍していたメンバーだったのもあり、いつかやろうと思っていたことをそのタイミングで始めました。地方拠点との連携をリモートで行う中でちゃんと制度として回る実感を得ていた中でコロナ禍の影響におそわれました。メンバーがどんどん地方移住を希望し、地方移住・拠点整備が加速して行きました。Q.:そうだったんですね。今後は地方拠点整備をどのように進めていくのでしょうか?吉田さん:拠点の人数が少なければ基本在宅で業務を行い、重要拠点であればサテライトオフィス設けるといったフェーズごとの対応をして行き、全国的に拡大できればと考えています。吉田さん:2020年入社新卒は、4月から3ヶ月ほどフルリモートワークでスタートしました。インターンメンバーもリモート勤務中心になり、おかげで地方学生からのエントリーも受け入れることができました。中途のメンバーもオンラインで研修やオリエンテーションを受けて入社しています。リモートワークになって、オンラインでのノウハウ共有がスムーズに行えるように体制を整えています。11月には、浅草・広島の2拠点に他のエリアからも集合してオンライン研修を実施しました。少数グループに別れてランチ会や懇親会も行いました。今年転職したメンバーは、ずっとオンライン勤務だったため、初めて東京オフィスに出社した人もいました。少数グループに分かれてランチ会や懇親会も実施しました。もともと地ブラは、地域行事に積極的に参加しているのですが、今年は、浅草の三社祭はオンライン視聴のみでした。しかし研修日に酉の市は感染対策のもと開催していたのでスタッフと参加しました。Q.:インターン生以外にも地方採用をされているんですか?吉田さん:そうですね。リモートワーク化が進んだことで、採用の考え方も東京一点集中採用ではなく、地方での在宅勤務採用も積極的に採用していけるイメージができたため、中途採用は地方採用が実現できています。今後も弊社のビジョンに共感する優秀な人に機会を提供できればと思っています。Q.:リモートがうまくいっている理由はどこにあるとお考えですか?吉田さん:会社創業時からいきなりリモートだったとしたらうまく回っていないと思います。社内のメンバーとはリアルでコミュニケーションを培ってきた蓄積があり、それがベースにあってリモートでも問題なく業務が進められていると思っています。Q.:具体的にはどう言ったコミュニケーションを意識的に取られてきたのでしょうか?吉田さん:会社のビジョンに深く関係する共通の原体験を持つということをかなり重視してやってきました。オフィスでのコミュニケーションもそうですし、浅草の三社祭を代表するお祭りに一緒に参加したり、地方の古民家で合宿したり、研修で日本や世界各地を一緒に廻ったりする場を大事にしてきました。そう言ったコミュニケーションのベースがあるからこそ、リモートでも上手く業務が回っていると考えています。また、定期的に感謝祭や忘年会といったパート・パートナーさん・インターン含めて方向性をすり合わせる会合も設けてきました。さらに今後は、会社のビジョンを新しいメンバーに伝播させていければと思っています。採用時には価値観のすり合わせを丁寧に行っています。表面的な動機ではなく、地域を良くするために弊社を活用して成長していく気概のある人を採用しています。リモートワークでも精神的に折れずに成長する為に必要な要素だと考えています。吉田さん:オフィスに集合しないことで、どうしてもコミュニケーションは減ったように感じています。そのため定期的にオンラインランチ会やオンライン飲み会、キックオフ、オンライン内定者懇親会などを実施しています。そういった場を今後もたくさん設け、会社のコミュニティへの帰属意識や業務へのモチベーションを高めていければと思っています。Q.:メンバーの生産性に対しては、どのような取り組みをしているのでしょうか?吉田さん:リモートワークかどうかは関係なく、成果を上げるためにどうするかというところから全て逆算して考えています。また、メンバーには、週報や日報など随時状況を共有してもらうことで業務の進捗が分かるようにしてもらっています。稼働時間やスケジュールについては各自に任せてるところが大きいです。元からオフィスでリラックススペースの活用や昼寝の推奨をしていたりと、メンバーの生産性を高めるために柔軟なアプローチを取り入れていました。そう言った環境を作ることで、上司は管理をする人ではなくて成果を上げるために相談して活用していこうというマインドを植え付け、リモートワークでも好循環になっています。吉田さん:通勤時間や移動の軽減もあり、業務時間に充てられる時間が増えていることに好意的な声が多く上がっています。リモートワークを含む働き方では家庭との両立もしやすく、お子さんが生まれたてのスタッフは、子育てを協力して回しやすくて助かるといってくれています。一方で入社してからずっとリモートの環境のみだったスタッフは「見て自然と学ぶ」「ちょっとしたことをすぐ聞く」事に当初少しは躊躇いがあった様子でした。これに関しては引き続きしっかりサポートをしていければと考えています。Q.:本日は事業や会社としてのビジョンについて、そして社内の体制を教えていただきありがとうございました!最後にひと言よろしくお願いします!吉田さん:今後は「働き方の多様化」というのが大きなテーマになっていくと思います。スキルがある人に機会を提供できるように雇用形態の多様化や勤務地の自由化を進めていき、メンバーを束ねていきながら共通の目標に向けて進んでいけたらと思っています。リモートでのノウハウやビジョンの共有をしながら、そして対面でのコミュニケーションの場も設けながら、私たちの事業を全国に届けていこうと思っています。
2020.12.25
インタビュー
今回は、企業から学生に直接オファーを送ることができる新卒に特化したダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox」を運営している株式会社i-plug(アイプラグ)の豊田さんにインタビューをさせていただきました。リモートワークの取り組みを中心に、社内での働き方や事業について独占取材させていただきました。株式会社i-plugは「働き方改革」が非常に進んでいて、社員一人一人の暮らしに合わせた自由な働き方を実現していました。それに関していくつか質問をして、掘り下げていきます。Q.: いつからリモートワークの体制を実施しているのですか?豊田さん:もともとは、育児や介護などご家庭の事情により在宅で働くことを必要としている人のために一部リモートという働き方を実施していましたが、実際にアルバイト社員・派遣社員も含めた全社員フルリモートの働き方は新型コロナウイルスの流行がきっかけでした。豊田さん:実際にフルリモートワークで働いてみて、「意外とリモートでも働ける、通勤時間などが削減されて効率的効果的に働ける」ということを実感できたので、9月からフリーロケーション制度として制度化しました。この制度によって新型コロナウイルスが収束した後も会社のルールを守った上でどこからでも自由に働くことができる、新しい働き方を実現することができました。Q. :i-plugのオフィスについて教えて下さい。豊田さん:本社が大阪にあり、東京と名古屋にも拠点があります。また、宮古島にもサテライトオフィスを設置しております。Q. :今のi-plugの社員の方の出社状況について伺いたいです。豊田さん:【チームがパフォーマンスを発揮できる働き方を】というマニュフェストに沿った働き方が体現でき、弊社が定めるセキュリティレベルを担保できる場所であれば働く場所の指定はしていません。出社の方が仕事が捗る方は出社して、自宅の方が捗る方はリモートワークをする、という風に働き方は人それぞれです。現状では、出社している社員の方が少ないです。働き方の自由度非常にが高いので、社員それぞれのライフスタイルに合わせた働き方ができる、というのが強みで、実際旅行先でワ―ケーションしたり、実家に帰ってお仕事したり、様々な働き方を実現しています。Q. 新入社員の方もリモートワークを実施しているのでしょうか。豊田さん:リモートで新入社員の懇親会などを適宜実施しています!4月から8月の間は「リモフェス」というリモート飲み会の補助制度がありました。リモフェスは一回リモート飲み会をすると、1,500円の補助金が出ます。参加の上限はないので(会社全体の総回数の制限はあり)、10回参加すると15,000円分タダで飲めるという制度でした。8月からは一ヶ月1人一回2,500円までのオンラインオフライン関わらず補助を出す制度に変更しました。特に新入社員の方が早く馴染めるように、オンラインオフラインを適宜使い分け、コミュニケーションを積極的に取るようにしています!豊田さん:新入社員の方に1人メンターをつけて1on1を行なったり、社内のコミュニケーションツールを用いて常設のオンラインミーティングを作り、困った時に雑談できるようなクラウドルームを作成したりと、部門やチームの仕事やメンバーのカラーに合った工夫を実施しています。豊田さん:コワーキングスペースで働いた方がはかどる方は利用料を自己負担したり、自宅で勤務する場合は光熱費や机などの設備費など自己負担していますので、その費用の補助を全従業員にニューノーマル支援金として9,000円をお支払いしています(アルバイト社員・派遣社員はシフトに応じて金額設定しています)。弊社のnoteがこちらにありますので、弊社のリモートワークがぜひ気になった方はこちらもご覧ください!株式会社i-plugでは幅広い職種の方が働いています。社内にはどんな人がいるのか、どんな働き方をしているのかご紹介したいと思います。Q.: 株式会社i-plugの組織の体制についてお聞きしたいです。豊田さん:まず社内には経営戦略室という部署があります。それ以外にも営業担当の部署やマーケティング担当の部署、サービス開発、いわゆるデザイナーやエンジニアの部署、あとはバックオフィスに分かれています!豊田さん:営業のチームは基本的にはお客様の営業に行くだけではなく、今使っているお客様のサポートなどのカスタマーサービスも担当しています。営業もリモートで行なっています。豊田さん:マーケティングのチームは「どうすればサービスが拡大するのか」ということを検討しているチームです。マーケティングのチームも基本的にリモートで働いている方が多いです。豊田さん:基本的に開発チームはエンジニアやデザイナーが所属していて、実際にサービスをエンジニアリングなどを通して文字通り開発してくのが開発チームです。こちらの開発チームもリモートワークでの勤務をされている方が多いです。豊田さん:バックオフィスは広報や経理・総務・人事・社内情報システムなどを担当していて、社員の方が働くサポートを行なっています。基本的にバックオフィスは出社が必要な業務があれば出社している、という状況です。バックオフィスも基本的に出社せずにリモートしている方もいたり、週2〜3日出社している方がいたりなどこちらも様々です。株式会社i-plugでは「OfferBox」というダイレクトリクルーティングサービスを展開しています。こちらのサービスについても深掘ってお聞きしたいと思います。豊田さん:一般的な就活といえばナビサイトを利用すると思うのですが、基本的には学生が気になる企業にアプローチをするスタイルです。それに対してOfferBoxでは全く逆で、企業がOfferBoxに登録している学生にオファーをしてそこから選考に進むというサービスです。豊田さん:学生さんは企業が送ってきたオファーに対して、そのオファーを受けるか受けないか選択することができます。学生さんもオファーを受ける回数の上限が設定されているので、よく考えて本当に行きたい企業のみオファーを受けていただくシステムになっています。企業も条件があり、一社がオファーを送れる上限も設定されているので、欲しい学生さんを見極めて選んでオファーを送る仕組みになっているので、効率よく採用ができるサービスです。豊田さん:OfferBoxは14万人もの学生が登録しており、就活生の3人に1人が登録しています。企業も7,200社以上もの企業が登録しており、企業も大手企業からベンチャー企業まで非常に幅広い企業が登録しています。社名:株式会社i-plug (アイプラグ)従業員数:137名(2020年4月1日現在)設立:2012年4月18日事業内容:新卒逆求人サイト「OfferBox(オファーボックス)」シリーズの運営本社所在地:大阪府大阪市淀川区西中島5-11-8 セントアネックスビル3階URL:https://i-plug.co.jp
2020.11.29
インタビュー
画像解析事業を進める東京大学発のAIベンチャー、株式会社Lightblue Technologyの代表の園田さんに在宅らぼの調査員の城戸がインタビューしました。会社のリモートワーク体制について、社内の文化や取り組みを詳しく教えていただきました。城戸:リモート体制はいつから始めたんですか?園田さん:2月初旬、チャイニーズニューイヤーが明けたくらいからリモート体制を始めました。きっかけはコロナウイルスの流行で、電車に乗らない方がいいよねというところです。その時期はGMOくらいしかリモート体制に移行していなかったのですが、GMOがリモートワーク始めたし、我々のお客さんも許してくれるだろうと言う判断でリモート体制の移行を決断しました。園田さん:もともと僕が2020年の7月に息子が生まれる予定ということで、妻の出産後はフレックスで働く予定だったのでそのための準備をしていました。そのおかげもあって、リモート体制はその延長線上と言う位置付けで比較的スムーズに導入できたと思います。城戸:そうだったんですね、ご出産おめでとうございます!!確かに、それもあってなのか早い段階でリモート体制をスムーズに導入されていますね。園田さん:そうですね。出産後の働き方と子育てについてnoteを書いているので、よかったら見てみてください笑お子さんのお写真です!https://note.com/sonodaatom/n/n93c12e2df04a#PN5kz城戸:リモート体制になると社員が家で仕事をするので、通常であればセキュリティ面の課題が出てくると思います。そこはどうだったのでしょうか?園田さん:セキュリティ面に関しては、それまではPCを持ち帰る際に申請するシステムにしていたのですが、現在は家で作業するのが前提なのでそこは大きな変化ではあります。とはいえ、家での仕事を許可していたのでセキュリティ面から考えてもリモート体制の導入はスムーズにできました。外部ではVPNの利用を必須とし、社内のセキュアなファイルサーバーを立てており、権限管理を細かくやっていたのでリモート導入になっても問題は生じませんでした。社員の自宅のネットワーク環境がそこまで強くないと言う問題は生じたので、モデムを準備するということはやりました。城戸:リモート体制においてよく挙げられる問題に、人事評価が難しいというものがあると思います。特にジョブ型の評価をしておらず、旧来的な人事評価制度を採用していた会社にとってはリモート体制への急な移行が難しいと思うのですが、Lightblue Technologyにおいてはどうなのでしょうか?園田さん:創業からあまり年数が経っていない会社なのでそもそも厳密な人事評価があったわけではなく、これからさらに制度を整えていっているところです。元々プロジェクトベースで仕事が進んでおり、エンジニアは特にgitのissueでのコミュニケーション、プロジェクト全体の進捗、お客様からの評価、という軸で評価していたのでリモート体制になったからといってそこまで問題は生じていません。城戸:エンジニア以外のメンバーの人事評価についてはどうですか?園田さん:バックオフィス、営業部署の若いメンバーは評価が少し難しいですね。経験のある営業メンバーは売上などの数値で測ることができますが、資料の作成やお客様とのコミュニケーションの補助がメインの仕事になると、仕事を数値化しにくい職種もあるのは事実です。その中でも若いメンバーにはスキルを高めてもらって、売上やアポイント数などのKey Resultsで評価していけるようにスキルアップできるようにサポートしていきたいです。エンジニアと違って、日々の進捗をgitなどで管理するのは難しく、マイクロマネジメント的に管理するのは我々のバリューにそぐわないので、社員の自主性に任せたいと思っています。メンバーの頑張りもあって、現状は評価が下がるということは起きていないです。一方で、いいところを見つけて評価するというアップサイドの評価に関してはオフィスにいたときの「頑張っている感」などが見えずらくなり、その分数値での評価が絶対軸になってきています。城戸:コミュニケーション面はどうですか?タスクベースのコミュニケーションと、社内文化の側面、すなわちチームとしてのコミュニケーションという観点があると思うのですが、まずはタスクベースのものについてお聞きしたいです。園田さん:複数のツールを導入しています。基本的な考え方として、エンジニアと営業チーム間のコミュニケーションを非同期でやりたいというものがあります。エンジニアの開発への集中を考えた時に、slackだとすぐ返さないとプレッシャーが発生してしまって集中を疎外してしまうことがあります。その代わりにgithubのissueでやりとりをするような体制にしています。wantedly社でインターンしていたときの経験を今に生かしているのですが、社内では全部署でgithubのissueを使ってコミュニケーションをとり、誰かに何かを依頼するときはwhyとwhatを明確にするというコミュニケーションを意識的にやっています。issueの内容は全てgithubのissueでやり取りを完結させるようにして、slack上でリマインドやスケジュールの調整などをするように使い分けをしています。城戸:なるほど。背景を共有しないと依頼された側は仕事として進めにくいですよね。Lightblue Technologyでの実際の業務に近い具体例を上げてもらえますか?園田さん:例えば「りんごの画像認識をできるようにする」というissueがエンジニアサイドに依頼されたとして、「何のためにやるのか?」「どうやって機能実装するか?複数の方法あるけど、今回の場合ではどれが最適なのか?」と言った問題が発生します。whyとして、「りんご農家のクライアントの依頼があって、来月検証作業がある。顧客は動作解析をしたいという要望を持っている。」。whatとしては「りんごの収穫の動作解析を行うために、りんごの検出機能が必要。と言うように背景をクリアにして依頼をすると、エンジニアは動作解析を行うという前提で、りんごの画像認識モデルの開発を始めることができると言った具合です。園田さん:あとはSpacialChatと言うバーチャルオフィスのサービスを導入しています。このサービスでは仮想空間上に自分の席があって、個別のURLなどを発信せずに音声が繋がって会話を始めることができます。基本的にバーチャルオフィス上にいる間はいつ話しかけても大丈夫だよ、という意思表明なので散発的に業務に関する会話が発生します。インターン生などがちょっとしたことを聞きやすい、と言った具合でコミュニケーションの役に立っています。また、二人がやりとりしてたとしても他の人がその会話の内容を聞きに行けるというUIになっているのも便利です。城戸:バーチャルオフィスも導入されているんですね…!!城戸:社内文化の文脈におけるコミュニケーションに関してはどうですか?園田さん:リモートになってから、slack上で送りあえるピアボーナス(称賛)の件数がものすごく増えています。対面での「ありがとう」だったり「ジュース奢るよ」みたいなコミュニケーションがオンラインに集約されている感じで、管理する側としては見える化されます。6月くらいからピアボーナスを多く受け取ったメンバーと多く送ったメンバーを月次で表彰するようにしています。また、1on1もやりやすくなりました。対面の方が相手の気持ちがわかることもあると思うのですが、オンラインでの1on1である方が緊張しすぎずに言いたいことが言える、という声も上がっていて手応えを感じています。ウィンセッションと言って、メンバーのよかったことを話し合う会も毎週1時間ほど設定してやっています。そこで部署を跨いだコミュニケーションも促進しています。園田さん:もともとの人間関係があったメンバーは、リモート体制になってからの仲が深まっていると思います。毎日顔を合わせていたら「会いたい」と感じることはあまりないと思います。それがリモート体制でなかなか合わない分、土日に会って体を動かしたり、出社したタイミングで一緒に食事をすることが増えました。城戸:全部ものすごく良い仕組みで、リモート体制でもメンバーのコミュニケーションが促進されそうですね。勉強になります!園田さん:あとは月1回でUber Eatsを経費でメンバーの家に注文し、オンライン飲みを実施しています!城戸:それもすごい良いですね!城戸:Lightblue Technologyのリモート体制の今後について教えてください。園田さん:コロナが終わった後に完全フルリモート体制にしようとは考えていません。弊社の現状は、リモートワークの法的根拠で言うと、契約書には労働場所をオフィス、自宅、その他指示する場所としています。就業規則は変えられておらず、定時勤務の体制でやっています。今後は、フレックスなどの制度の導入も検討しています。一方で、最大の課題は働きすぎの問題が生じてしまうことで、メンバーの性格やスキルにも依存するため、フレックス導入の際は、全社ではなく、部署ごとに行うなど検討が必要だと思っています。園田さん:フレックス制に移行した場合、社内全体として非同期コミュニケーションの浸透を徹底していくことが大切だと考えています。城戸:現在の社員の出社状況はどのようになっていますか?園田さん:バックオフィス、営業は週2〜3出社している人が多いです。出勤の時間は朝10時とかなので電車の混雑時の利用は避けられているはずです。エンジニアに関しては、出社はほぼ0になっています。画像解析のカメラとか実験場所が必要という場合にたまに使いにくる社員が一部いるというくらいです。ただ一人暮らしの社員を考えた時に、彼らの日常的なコミュニケーション不足によるメンタルの状態は心配しています。今度オフィスを移転するのですが、週1で出社してもらう日を作ることを検討しています。城戸:新入社員がリモート体制で会社になじむための工夫はどのようなものがあるんですか?園田さん:新入社員は他のメンバーとの人間関係ができておらず、最初からリモート体制で勤務しているためコミュニケーションは難しいですね。「わからないことが多いけど、面識がないから誰に聞いてよいのかわからない」ということが生じてしまいます。入社して1ヶ月とかはオフィスに出社してもらって人間関係を構築してもらうと言った施策を考えています。スキルにもよりますが、比較的若い新入社員がいきなりフルリモートで働くのは厳しいという印象です。城戸:地方から働きたい人を採用する、ということに関してはどうお考えですか?園田さん:社内には広島で働いているメンバーもいるんですが、もともと会社で働いていていた中で広島に移り住むという要望があったので許可しました。これも先ほどの新入社員の例と同様に、最初に出社してもらってコミュニケーションをとった上で、フルリモートでもやっていけると判断できた場合は地方で働くことを認めるということも今後起こるとは思います。インタビュー時の風景です!城戸:今日は色々と教えていただいてありがとうございました!Lightblue Technologyではコロナウイルスの流行に際していち早くリモート体制を導入していて、メンバーの働き方に合わせて進化していると思いました。とても参考になります!園田さん:こちらこそありがとうございました!
2020.11.28
インタビュー
今回は、2020年7月にパソナテキーラから社名変更されたサークレイス株式会社のマーケティング部長の今野さんと人事の面来さんにインタビューをさせていただきました。Q.:まずはサークレイスさんがいつからリモートワークの体制を始められたのか教えてください。今野さん:もともとリモートワークができるように徐々に準備を進めていました。ただ、全社でというよりは、職種に応じて、一部の部門で試験的に実施していたというのが実態でした。Q.:その流れの中でのコロナウイルスの感染拡大だったんですね。今野さん:そうですね。3月末に、全社的に出社を見合わせる方針となり、4月と5月はフルリモートでの勤務となりました。そうした状況を考慮した結果、5月末にオフィスを縮小するという経営判断がなされました。面来さん:現在も基本的にリモートワークがベースでほとんどフルリモートの人もいて、出社するときには上長に確認を取って、会社で働きたいという人は出社できるようにしています。Q.:福利厚生の仕組みなどはいかがですか?面来さん:毎月通信費補助手当を支給しています。また別途に在宅手当も一時金として支給しました。Q.:地方で働いている方などはいらっしゃるのでしょうか?面来さん:郊外にお住いの方はいますね。Q.:そうなんですね。ありがとうございます!今野さん:リモートワークを行うことで出社の負担は減ったという意見は耳にしますし、働き方の自由度が高まっていると言えると思います。もちろん出社することで得られることもあるので、Face to Faceのコミュニケーションの重要性も認識していますが以前のように毎日出社というスタイルには戻らないのではないでしょうかQ.:サークレイスさんの事業についても詳しくお聞きしていいですか?今野さん:私たちの事業は大きく分けて2つです。Salesforceを始めとしたクラウドの導入と運用のコンサルティングの事業と、自社のSaaS製品の開発です。その一つである社内外のコミュニケーションとプロジェクト管理機能を統合した社名と同じ名称のプラットフォームCirclaceが、ちょうどリモートワークでもいろいろなシーンで活用することができました。Q.:なるほど!後で社内のコミュニケーションの工夫についてお聞きするので、そのプロダクトの活用についても詳しく教えてください!今野さん:クラウドの導入・運用のコンサルティングは、大きく分けると開発エンジニアのチームと、主にお客様先に常駐してシステム管理を担っているチームから成ります。お客様先での勤務を行っていた常駐メンバーも、コロナ禍を期にお客様と調整を行い、リモート勤務を行うメンバーもだいぶ増えました。また開発エンジニアはほとんどリモート勤務ですね。Q.:すごいスピード感ですね…!今野さん:営業も基本的にはリモートで業務を行っていますが、お客様との商談など必要な時には出社する方針です。ただ捺印に関してはまだ契約書対応などで出社が必要な場合もあります。Q.:なるほど。ありがとうございます。そのほかのチームのリモートワークの状況はどうでしょうか?今野さん:開発チームはコロナ禍以前よりリモートワークで作業が行われていました。また私の部門であるマーケティング部門も業務を全てクラウドで完結させることができているので在宅勤務でも問題ありません。Q.:リモートワークになって、コミュニケーションで気をつけていることや工夫しているところを教えてください。今野さん:若いメンバーについては、まだ当社での経験が浅いこともあり、特にマネジメントを行う側は特に注意を払っています。基本的には、それぞれのマネージャーがチームのコミュニケーションを促進するように取り組んでいます。今野さん:オンライン飲み会を実施したり、毎朝のミーテイングで雑談の場を設けたりしているチームもあります。また特に新入社員のメンバーに対しては、リモートでのコミュニケーションでも問題なく馴染んでいけるように、あえて出社日を設け、対面での関係構築も行っています。今野さん:サークレイスという会社の文化として、もともとコミュニケーションを重視するところがあります。現在のようにリモートワークでの働き方がベースとなってもオンラインでの全社会議を実施したり、月1回の上長との1on1を行う、などコミュニケーションの機会は重要なものとして位置づけています。Q.:ありがとうございます。業務内のコミュニケーションに関して、先ほどお話ししてもらった自社プロダクトのCirclaceを具体的にどのように活用されているんでしょうか?今野さん:いろいろな使い方ができるのですが、社内での利用の仕方としては、現在個々人が進めているタスクについて意見交換などのコミュニケーションを行ったり、チーム全体で進捗を確認するためのツールとして、利用しています。Q.:リモートワークにおいてはチーム単位での業務の管理とコミュニケーションが重要だと思うので、まさにリモートワークの働き方に即したツールですね!Q.:社内の実態について色々と教えていただいてありがとうございます!本日はインタビューをさせていただきありがとうございました!全員:こちらこそありがとうございました!
2020.11.28
インタビュー
今回は税理士法人、経営コンサルティングのアタックスグループにインタビューをさせていただけることになりました。代表の林さんに直接お話を聞くことができました。Q.:林さん、よろしくお願いします。まずは今のリモートワークの体制について聞いてもよろしいですか。林さん:緊急事態宣言下では原則リモートワークで、出社に許可が必要という形でした。今はリモートワークを推奨しているという形で、出社は自由にしています。自宅勤務できる人は上司に申告する形になっています。今はリモートに関する意識が高まっています。コロナウイルスが終息した後もリモートワークを引き続き継続していきたいと考えています。Q.:全体のリモートワークの割合はどの程度なのでしょうか?林さん:2020年の9月現在で出社6:在宅4割くらいになっています。職種でいうと、システム系の人たちは在宅が多く、フルリモートに近い形で働いている人もいます。林さん:あと、オフィスに各部門半分以上来てはいけない、というルールを来年1月から適用の予定です。ルールを設定することでリモートワークが社内に浸透していけばと思っています。Q.:出社しないとうまくいかないタスクにはどのようなものがあるんですか?林さん:弊社ではもともと印鑑をあまり使っておりません。ただ、顧客からいただく資料がまだ紙ベースであったり、クラウドの活用が遅れている企業もあります。そういったところはリモートで回りきらない部分です。また、社員は紙文化に慣れており、パソコン上で仕事を完結するのは、まだ抵抗がある人が多いようです。印刷一つをとっても、事務所の方が使い勝手がいいみたいです。Q.:なるほど。やはりオフィスの役割も変化していますね。林さん:そうですね、社内のリモート化を推進していくことでオフィスの使用頻度は減っていくので、今後オフィスを縮小していくことも考えていこうと思います。また、アタックスグループでは、セミナーを展開しています。コロナ前は当然対面でのセミナー開催でしたが、今後オンラインになっていきます。今後リアルで対応したほうがいいものと、オンラインで対応したほうがいいもののバランスを模索していければと考えています。Q.:今少しセミナーの話が出ましたが、事業の概要についてお聞きしたいです。林さん:大きく分けて税理士法人と、経営コンサルティングがあります。税理士法人の方は、業界全体として紙文化が残っています。RPAなどを使って業務を自動化していき、リモートでできる部分とできない部分を整理していきたいと思っています。ただ、この業界の特性から、従来のやり方を変える(RPAとか使わずに手動でやる)のは困難と考える人も多いので、そういう人たちのマインドの変化と、慣れていくためのトレーニングが必要だと考えています。林さん:コンサルの方は基本的にリモートでもやっていけると思っています。オフィス勤務の時と比べて生産性をあげていきたいということに取り組んでいます。コンサル事業の一環としてやっていたセミナーをコロナ禍で急遽オンラインセミナーに切り替えることができたので、リアルとは違ったバリューのあるセミナーができるなと体感しました。Q.:事業に関しても迅速に適応されていますね…!具体的にはどういったビジネスチャンスが増えそうですか?林さん:セミナー事業は、社長塾や後継者塾、ビジネスセミナーといったものを実施しています。今までは対面で実施していたんですが、それだと地方のお客さんはなかなか東京や名古屋で開催されるセミナーには参加が難しいという問題点がありました。リモートになると、北海道から沖縄まで全国各地の人が参加できます。私たちとしても顧客開拓の範囲を拡大できます。面談もオンラインで実施することで、いろいろとビジネスチャンスが広がります。Microsoft Teams やZoomなどの便利なツールがそういった活動を後押ししてくれます。Q.:今の社員の満足度などについて、もう少しお聞きしたいです。林さん:先日社内アンケートを取ったので、それをベースに話しますね。Q.:とても参考になります、ありがとうございます!林さん:全体の80%以上は、リモートワークに「満足」または「非常に満足」と回答しています。「どちらともいえない」をいれて9割超になります。満足な理由についても調査したのですが、家族との時間が増えた、通勤時間が無くなった、意外と生産性が下がらなかった等の回答が多く上がりました。リモートワークに対していわば「食わず嫌い」といった状態だったんだなと思います。いざやってみると案外成立するな、といった感じです。林さん:リモートワーク下では、部下との関係を構築しなければならないので上司の資質が本当に問われると思っています。ちょっとした心配りが重要で、アナログだとあうんの呼吸ができるのですが、デジタルだと難しいですね。具体的な指示をだせるようにしないと難しく、仕事のやり方がきちんとできていないと、上司が務まらないです。部下よりも上司がどう変われるか?というところが問われているのかと思いますね。林さん:定例ミーティングを実施したり、部署によってはリモートお茶会などを定期的に行ったりしてコミュニケーションを取る場を積極的に設けています。いろんな方法を実施していますが、基本的には現場に任せています。林さん:今後の採用市場において、リモートワークを社内でしっかりと導入することで、自律的成長を実現できる職場であることを伝えていきたいと考えています。林さん:リモートワークに関しては、今後は幅を持たせることも重要だと思っています。例えば、コロナが問題でない限り、会社に慣れてもらうという意味で、新入社員は最初、オフィス勤務を原則にしようと思っています。フルリモートというスタンスではなく、出社とリモートの最適なバランスを考えながらリモートワークを進めていければと考えています。林さん:「コロナは触媒」という言葉を耳にしたのですが、推し進めてこなかった物事が、コロナウイルスの流行を期に加速しています。リモートワークはその最たる例だと思っています。どうしても、働き方に関して現状維持バイアスがかかってしまう部分はあるのですが、この期間に大胆に変えていければと思っています。Q.:林さん、本日はインタビューにご協力いただいてありがとうございました。アタックスグループ全体として、新しい働き方にシフトしていこうとされているのがよくわかりました。林さん:これからもどんどん働きやすい環境を整備して、よりよりサービスを提供できる体制を整えていこうと思っています。ありがとうございました。
2020.11.28
インタビュー
この度はKADOKAWAグループのデジタル戦略子会社である、株式会社ブックウォーカーの人事の峯下さん、八幡さん、佐藤さんにお話を伺いました。峯下さん:会社としては元々2017年度から検討を始めていました。リモートワークを導入する1つのきっかけとなったのは、親会社のKADOKAWAが所沢にオフィス機能を含んだ複合施設の建設計画を2015年にリリースしたことがあります。(2020年の8月にプレオープン、11月にグランドオープンという予定です。)それを機に、従来のオフィス勤務の体制の見直しとリモートワーク体制の導入を検討していくこととなりました。Q.:なるほど。当時としては周りにリモートワークをしている企業は少なかったのではないでしょうか?峯下さん:そうですね、自分たちとしても勝手がわからない中で先進的な取り組みでした。2018年度の最初に社内の全部署で回数制限をつけたトライアルをして、多くの社員がリモートワークを経験しました。その結果として見えた課題を改善しつつ、もう一度年明けに全部署で実施しました。その後も部署限定ですが、原則全員がリモートワークを実施する日を設けるといったこともしました。そういった流れを経て、2019年11月から月5回まで可能とするテレワーク制度を正式に導入しました。Q.:多くの企業がコロナウイルスをきっかけに急いでリモートワークを導入する中、かなり早い動きですよね。ここには親会社のKADOKAWAグループの意向などもあったんですか?峯下さん:いえ、特に親会社からの指示があったわけではなく、リモートワークの導入は当社が必要と考えた上での取り組みですね。複合施設の建設計画がきっかけのひとつにはなりましたが、自分たちで働き方の多様性を模索していく中での取り組みです。経営陣が前向きにならないとトライアルもうまく進まないので、そこは重要だと思います。当社はグループ会社の中ではデジタル化が進んでいるのもありますが、経営陣に柔軟性があることから早期に取り組みが開始できたと思っています。実施前は関係者皆、不安があったと思いますが、実際にトライアルを開始してひとつずつ問題に対処していき、正式導入に至りました。Q.: その中でコロナウイルスの感染拡大のタイミングが来たという流れですね。峯下さん:そうですね。コロナ前は月5回までのリモートワークでしたし、全員制度を利用しているというわけでもなかったので、コロナウイルスの影響でリモートワークが一気に加速したという感じです。Q.:今のリモートワーク・出社の状況はどんな感じですか?八幡さん:今はほとんど出社していないです。全体で見ても月1、2回ほどの出社になっていて、9割くらいが在宅になっているという状況です。出社しないで済むなら在宅で、リモートワークでの勤務がメインというスタイルになっています。出社する時には上長の許可を取るというルールになっています。峯下さん:今はだいぶリモートワークに慣れてきて、業務環境の整理ができているという感覚です。Q.:コロナウイルスが収束した後のリモートワークの体制はどのように考えていますか?峯下さん:コロナ後については明確には決まっていないです。ただ働き方の多様性はずっと追及していくので、仮にコロナが完全に収束したとなっても出勤が必ず求められた元の働き方には戻らないとは思います。出社メインではなく、リモートワークメインになりそうです。峯下さん:当社の事業を大枠で申しますと、電子書籍店の運営、電子雑誌読み放題サービスの運営、KADOKAWAグループの電子書籍の作品を様々な電子書籍店に卸す取次事業です。八幡さん:現状は、どの部署でもほとんど全ての業務をリモートで行うことができていますが、経理などのバックオフィス業務では出社が必要な場面が残っています。現在社内でペーパーレスを推進していて、残存課題として継続的に取り組んでいます。Q.:フルリモートに近い形で運営ができているということなんですね。峯下さん:そうですね。元々の事業が電子書籍の運営というところで、社員自体もITに明るい人たちが多いというのもあるのかなと思います。Q.:リモートワークになって、従業員のみなさんの生産性はどう変化しましたか?峯下さん:対面で質問して済むことが、わざわざツールで聞く必要があり、そこは対面の方が楽だとは思います。一方メリットは多く、通勤時間がかからない、疲労度が全然違う、会話がない分タスクベースの仕事に集中できる、といった声が上がっています。Q.:なるほど!みなさんのリモートワークに対する満足度も高そうですね。八幡さん:リモートワークに関するヒアリングも実施したのですが、社内からはリモートワークが嫌だという声はほとんど聞こえてこないです。社内で早くからリモートワークの検討、導入をしていた分、体制に慣れるのが苦ではなかったと思います。佐藤さん:コロナウイルスで本格的なリモートに移行したタイミングは、対面で話さなくなった分、コミュニケーションが減ってしまいました。そこに関しても慣れてきた部分が多く、最近ではSlackで部署を越えたやりとりができています。雑談チャンネルみたいなものも開設されていて、社員に本好きが多いのもあり、マンガ、本、ラノベなどの趣味での交流ができています。峯下さん:佐藤さんは4月入社だから本格的にリモートワークになってからの入社ですよね。どうですか?佐藤さん:そうですね、リモートワークにも違和感なく働けています。Slackでのコミュニケーションにもだいぶ慣れました。利用してみるとチャットの方がよりフラットに、上司・部下に関係なくやりとりを始めやすいなと感じています。あとは、チャットだとやりとりの履歴が残るので、確認したいことがあった時に過去のやり取りを振り返ることができるので便利だと感じています。峯下さん:以前のリモートワークのトライアルの際には、実施者によってはリモートワークの日にミーティングを減らそうという意識もありました。ただ、トライアンドエラーを繰り返していって今では積極的にミーティングでコミュニケーションを取るように変わっています。社内では今後も引き続き多様性のある働き方の体制を整備していこうという方針です。リモートワークに関しては経営陣の意思決定が早く、いい結果をもたらしているので他の改善点に関しても素早く対応していければと思っています。今回は株式会社ブックウォーカー様にリモートワークの取り組みについてインタビューをさせていただきました。経営陣の素早い意思決定、電子書籍の事業とITへの親和性、従業員の方々の工夫により、リモートワークの体制がとても整備されていると感じました。リモートワークにおいてもコミュニケーションを重要視していて、リモートワークに対する満足度がとても高いと感じました。インタビューをさせていただきありがとうございました。
2020.11.28