デザイナーにとって資格は必要なのか?

デザイナーは「デザインスキル」や「デザインの感性」を活かして働く職業です。そのため、資格は必須ではありません。デザインスキルは資格である程度測れますが、特にデザインセンスなどを資格で測ることは困難でしょう。
逆に言えば、資格を取得することで一定のデザインスキルの証明にはなり、またスキルアップの一環として役立てられるということです。資格さえ取得すれば企業に高く評価されるというほど甘くはありませんが、特にスキルが低いうちほど資格は役立つ可能性があると考えておくと良いでしょう。
もちろん実際に自分で作品を作ったり実務を通してポートフォリオとスキルを蓄積していくことの方が重要度は高いです。資格の勉強ばかりして実務が伴わないのは本末転倒なので、その点に注意したうえで資格を取得することは有効です。
今回はそんなデザイナー資格についてご紹介したいと思います。
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デザイナーのおすすめの資格13選!
一言にデザイナーと言っても、職種は様々です。たとえば、WEBデザイナーとファッションデザイナーはまったくの別物で、同じパソコンを使ったデザインでもグラフィックデザイナーとWEBデザイナーでは業務が異なります。
もちろん複数のスキルを兼ね備えているデザイナーもいますが、異なるスキルと考えておいた方が良いでしょう。ただし、デザイナー資格という点では重複する部分も多いです。
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具体的には、WEBデザイナーもイラストレーターも取得すると役立つ資格などもあります。これを踏まえたうえで、どのようなデザイナー職種に役立つのかも解説しつつデザイナーにおすすめの資格をご紹介していきます。
デザイナーのおすすめの資格①:色彩検定

どのデザイナー職種にも役立つ資格という意味で、まず最初に「色彩検定」をご紹介します。色彩検定はその名の通り色に関する知識を問う資格試験です。実際のところ、どの種類のデザイナーであっても一定の経験を積めばデザインのスキルは身についていきます。
もちろん一部には特別な高いスキルを持っているデザイナーも存在するのですが、あくまでも一部です。そして基本的には圧倒的な高スキルが求められる仕事は少ないです。
ではどこで差が出るのかというと、センスです。仮に仕様が決められていたとしてもデザイナーごとに特色が出ますし、デザイナー自身がデザインを考える場合はなおさらセンスが問われます。
センスというのも一部の天才を除けば突然沸いてくるものではなく、センスを高めるための知識も必要です。デザインの土台となる色彩検定はそのセンスを磨くのにもってこいと言えるでしょう。
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企業の採用担当者なども色彩検定については知っていますから、これを取得しているデザイナーのデザインセンスに対しては一定の信用を置くでしょう。
デザイナーのおすすめの資格②:HTML5プロフェッショナル認定資格

今はどの企業もWEBサイトを持っているため、WEBデザイナーの需要が大きいです。そのため、WEBデザイナーに取得メリットのある「HTML5プロフェッショナル認定資格」をご紹介します。
HTML5プロフェッショナル認定資格はその名の通りプログラミング言語の一種であるHTMLに関する資格試験なのですが、CSSとJavaScriptも含まれています。
つまり簡単なスクリプトも含めて、WEBサイトの表面上のコードを一通り書けるようになるための資格試験という位置づけです。上でご紹介した色彩検定のようなセンスに関わる資格というよりは、ITスキル関連の資格になります。
この資格を取ることで、WEBデザイナーとして身につけるべきスキルの基礎をマスターしましょう。
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他ジャンルが本業のデザイナーもこの資格を取れば、デザイン性のよいWEBサイトを作れるようになり、経験のない人、資格のない人に比べ業務の幅を広げられるでしょう。
デザイナーのおすすめの資格③:Illustratorクリエイター能力検定試験

「Illustratorクリエイター能力検定試験」は、Adobeが提供するデザインツールのIllustratorに関する資格です。特にIllustratorを使用するのはイラスト制作、ロゴ制作などを行っているデザイナーでしょう。
Illustratorクリエイター能力検定試験はスタンダードとエキスパートの2種類があります。スタンダードは実技のみ、エキスパートは実技と知識を問う内容となっています。
実技が中心の試験は、実戦により役立つ資格試験と言えます。また知識が中心の資格試験は、資格試験用に実務でほとんど使わない知識を覚えなければならない場合が多いです。
その点Illustratorクリエイター能力検定試験は実務的な内容の試験なので、普段からIllustratorを使用している人にとっては無駄な労力が少ないです。ちなみに実技の内容は、問題の指示に従って一定時間内にグラフィックコンテンツを作り上げるというものです。
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Illustratorクリエイター能力検定試験用に対策をした方が良いかもしれませんが、対策も実戦的なグラフィックコンテンツ作成なので実務に役立つ勉強になるでしょう。
デザイナーのおすすめの資格④:Photoshopクリエイター能力検定試験

PhotoshopもIllustrator同様、Adobeが提供するソフトです。Illustratorは主にイラストを編集するソフトですが、Photoshopは写真や画像を加工するソフトです。
PhotoshopとIllustratorの両方を使用しているデザイナーもいれば、どちらか片方のみを使用しているデザイナーもいるかもしれません。またPhotoshopクリエイター能力検定試験もIllustratorクリエイター能力検定試験同様に、試験はスタンダードとエキスパートに分かれています。
そしてスタンダードは実技試験のみ、エキスパートは実技試験と知識試験、というようにIllustratorクリエイター能力検定試験と同じです。制限時間内に出題されたコンテンツを制作する試験なので、実用的なスキルが身に付きます。
過去に出題されたコンテンツなどを作れば、スキルアップにもつながって一石二鳥です。
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試験勉強として実際に手を動かしてソフトを使用するので、最初に何から作り始めて良いかわからないという方にも良い試験かもしれません。
デザイナーのおすすめの資格⑤:Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験はHTML、CSSS、サイト構築・設計の基本、などを問う試験です。スタンダードとエキスパートの2種類があります。上のPhotoshopとIllustratorと同様に、スタンダードは実技試験のみ、エキスパートは実技試験と知識試験があります。
内容としては上でご紹介したHTML5プロフェッショナル認定資格と重複していますが、難易度としてはHTML5プロフェッショナル認定資格の方が高いでしょう。JavaScriptも含まれていて、プログラミングの要素が多いためです。
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デザイナー業界での認知度、評価も一般的にはHTML5プロフェッショナル認定資格の方が上なので、どちらか迷うのであればHTML5プロフェッショナル認定資格の方の取得をおすすめします。
デザイナーのおすすめの資格⑥:PHP技術者認定試験

PHPはサーバーサイドと言って、システムの裏側を作るのによく使われる言語です。上の節で、Webサイトの表面を構成するのはHTML、CSS、JavaScriptだとご説明しました。
この裏側の仕組みを作るのにPHPがよく使われるということです。特にWeb系のシステムでPHPは使われているので、HTML、CSS、JavaScriptと一緒にPHPを学習しておけばWeb系システムの開発で市場価値が上がることになります。
PHPはデザイナーというよりはエンジニアの範疇なので、PHPができることでWebデザイナーという肩書だけでなく、Webエンジニアとしても仕事ができるようになります。
デザイナーのおすすめの資格⑦:CGクリエイター検定

わりとマイナーではありますが、CG技能の資格試験として、CGクリエイター検定というものがあります。内容としては実技ではなく知識を問う問題が出題されます。
具体的には、デッサンなどの表現の基礎、動画撮影・編集、3次元CGの処理、知的財産権の知識、規格、といった幅広い問題が出題されます。難易度としては比較的低めで、あくまでもCGクリエイターとしての基礎的な知識を問うものです。
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そのため、どちらかというと上でご紹介したようなプログラミング関連の資格や、ソフトを実用的に使用するような資格試験の方が実務に役立つでしょう。
デザイナーのおすすめの資格⑧:ファッション色彩能力検定

上で色彩検定をご紹介しました。色彩検定はデザイナー全般が取得している資格試験ですが、ファッションデザイナーに特化した、ファッション色彩能力検定という資格試験もあります。
色彩の基本的な考え方はファッションでも他のデザインでも同じですが、服に使われている色はある程度限られていて、また色として綺麗なこととファッションとして色が綺麗ということは意味が異なります。
いくら色彩感覚があってもファッションに落とし込めないとファッションデザイナーの仕事にはならないので、ファッション色彩能力検定のような資格試験があります。
デザイナーのおすすめの資格⑨:画像処理エンジニア検定

画像処理エンジニア検定は、カメラを使うようなデザイナーに有効な資格です。画像認証などを扱うエンジニアにおすすめしている記事なども見られるのですが、内容としてエンジニア向けの資格とは言えなさそうです。
ベーシックとエキスパートに分かれているのですがどちらもそこまで難易度が高いわけではなく、製品知識や画像処理の基本知識を問われるような内容になっています。
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知識問題なので、実務に直接役に立つかは微妙なところです。作品に直接的に活かすというよりは、自分が今扱っている画像の技術的な背景を学ぶという位置づけになります。
デザイナーのおすすめの資格⑩:プロダクトデザイン検定

プロダクトデザイン検定は商品のデザインに関する資格試験です。そのため、デザイナーの中でも多い、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、イラストレーター、ファッションデザイナーなどとは少し縁遠い資格になります。
レベルは1級と2級にわかれていますが、いずれも4択問題になっています。実際のところ商品のデザインは商品によって様々で、また既存の概念を超えた商品デザインが求められるケースもあります。
とはいえ新しいアイデアも既存のものの組み合わせでできる場合が多いでしょう。そのため、プロダクトデザイン検定で商品デザインの基礎を学習しておくという選択肢も有効です。
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プロダクトデザイン検定によって身に付けた商品デザインの知識を持ったうえでいろいろな商品に目を向ければ、一般ユーザーとは異なる視点からデザインを考えられるようになるということになりますね。
デザイナーのおすすめの資格⑪:レタリング技能検定

レタリング技能検定とは、文字デザインのための資格です。文字デザインとは、たとえば看板、名刺、商品パッケージなどの文字を手書きで書くデザインのことです。
この手書きという点がポイントで、レタリング技能検定は手書き以外の、たとえばパソコンで文字をデザインするような業務は想定していません。手書きで文字デザインを書くデザイナーは少数派かと思うのでマイナーな話にはなるのですが、マイナーだからこそ対象資格は少ないです。
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イメージとしては、習字の文字デザインバージョンと考えるとわかりやすいでしょう。
デザイナーのおすすめの資格⑫:フラワーデザイナー資格検定試験

フラワーデザイナー資格検定試験は、名前の通り花のコーディネート、アレンジなどに関する資格試験です。資格試験の歴史があり、知名度も高い資格です。もちろん対象は花に関わる業界に携わりたい人です。
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花とは関係ないデザイナーにとっては縁遠い資格と言えます。あとは富裕層の方が華道などをたしなみ、その一環としてフラワーデザイナー資格検定試験を受けるようなケースもあるようです。
デザイナーのおすすめの資格⑬:インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターは住居の空間をデザインする資格、仕事です。資格試験に合格することで、住居の空間デザインの基本を学ぶことができます。試験内容としては実技と学科の両方があります。
インテリア業界の中では知名度の高い資格なので、比較的取得価値は大きいと言えるでしょう。ただしインテリアと関係のないデザイナーが取得しても業務にも評価にも結び付きにくいものなので、対象はあくまでもインテリアに関連するデザイナーです。
デザイナーで一番重要なのは資格よりも実務経験

デザイナーが取得できる資格を上でご紹介しましたが、マイナーなものを含めると資格試験の種類はかなり多いです。少なくとも、資格コレクターになっても意味がないことは明白でしょう。
たとえば企業に応募する際に応募欄に資格の名前を大量に書くと、評価がプラスにならないどころかマイナスになる可能性が高いです。なぜなら、資格取得にばかり力を入れていて実務能力が低いのではないか、本業を疎かにするのではないか、資格のことばかり考えているような人だから物事の要点をはき違えそう、といった印象を持たれる可能性があるからです。
少なくとも、こんなにたくさんの資格を持っているのだから優秀なんだろう、とは思われないはずです。資格試験に力を入れたいのであればデザイナー以外のIT系の高難度の資格を一つ取得する、といった目標を立てた方が良いです。
資格に力を入れたいのであれば難しい資格を、そうではなく自分に必要な資格を取得したいのであれば業務と関連性が高そうな資格のみを優先して取得するのがおすすめです。
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何よりも実務経験が重要で、実務経験がない場合は自分で作品を作ってポートフォリオを作ることの方が重要、ということを忘れないように注意しましょう。
デザイナーの資格の勉強方法
次に、上で挙げた資格をどのように勉強すれば良いのかご説明します。基本的にデザイナーの資格を勉強する方法は「テキストと問題集による学習」「実際に手を動かす」という二つになります。
テキストと問題集による学習

特に知識が問われる資格試験では、テキストと問題集による学習が必要です。具体的なテキストや問題集に関してはネットで検索すれば出てくるので、選択に迷うことはそれほどないでしょう。
あとはテキストと問題集をしっかり理解するよう集中して取り組むだけです。
実際に手を動かす

デザイナーの資格試験は、他の職種の試験に比べると実技が多いという特徴があります。実技は知識をインプットするだけでは習得できません。実際に手を動かす必要があるのです。
過去にその資格試験で出題された題材を確認し、実際に作ってみることが重要です。
デザイナーに求められるスキル
次にデザイナーに求められるスキルは具体的には「コミュニケーション力」「情報収集力」「実践的なスキル」の三つです。
コミュニケーション力

デザイナーは自分のデザインを人に説明する必要があり、また顧客からの要望に従ってデザインを作成する場合もあります。
つまり相手の意図を汲み取るためのコミュニケーション力、自分のデザインを相手にわかりやすく説明するためのコミュニケーション力などが必要になるということです。
情報収集力

デザインの世界も進化し続けています。流行のデザインも変化しますし、デザイン作成に使用するツールも変わっていきます。
需要のあるデザイナーになるためには情報収集を行い、それを自分のスキルとして取り込んでいく必要があります。
実践的なスキル
デザイナーには当然実践的なスキルが求められます。コミュニケーションが取れて情報収集をしっかりして知識があっても、実際に手を動かして作れないとデザイナーの仕事としては成立しません。
作品を作ることでスキルアップし、自分のポートフォリオとして蓄積されていきます。
デザイナーに必須の技能

デザイナーの種類によって必須の技能は変わってきますが、汎用性が高く多くの職種で必要になる技能は以下のようなものです。
- Photoshop
- Illustrator
- HTML
- CSS
特にパソコンを使うデザイナーであれば、基本的なソフトを使用できるなること、デザインに必要なプログラミング言語を扱えることが重要になります。
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高いデザインセンスを身に付けることは難しいですが、上記のソフトとプログラミング言語の基本を身に付けることはそれほど難しくはないのでご安心ください。
デザイナーなら在宅ワークがおすすめ

新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅ワークや在宅勤務の需要が高まりつつあります。デザイナーは最も在宅ワークと相性が良い職種の一つです。
在宅ワークには「出勤時間を節約できる」「趣味との両立がしやすい」などさまざまなメリットがあります。
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こちらのテレラボの記事で在宅デザイナーについて詳しくまとめてあります。ぜひ気になった方はご覧ください。
まとめ

デザイナーに関連する資格をご紹介しました。結局のところデザイナーに関連する資格は数多いので、どこから手を付けるべきか迷ってしまうかもしれません。結論としては、資格試験ではなくまずは実務的なスキルを身に付けることがおすすめです。
これだけ資格をご紹介しておいての結論なのですが、やはりデザインは実際に手を動かして作ることが最重要だからです。知識は役立つものですが、知識だけあってもデザインに関しては机上の空論にしかなりません。
いくら知っていても、手を動かして形にできなければ無意味ということです。
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手を動かしてデザインを創作できるスキルを身に付けた上で知識を身に付ければ、次の創作に知識を活かせるかもしれない、ということですね。