エンジニアのキャリアを考える必要性
今現在エンジニアを目指して頑張っている方にとっては、関係のない話に聞こえるかも知れませんが、エンジニアにとってキャリアアップやキャリアプランを立てることは非常に大切です。
実は、エンジニアになってからの方が、新しい知識をどんどん学ぶ必要があり、その内と思っていれば気が付いたら時間がなくなってしまうからです。
エンジニアのなかでも開発系やインフラ系などいろいろありますが、ここでは開発系のエンジニアのキャリアについて解説していきましょう。
エンジニアのキャリアは多様化している
日々、新しいWebサービスは開発されリリースされています。
どんどん新しいものが出てきては、消えて行くそんなとてつもないスピードのなかでエンジニアは戦っています。
ただ、全ての技術を完璧に備えるエンジニアになろうと思えば、並大抵の努力ではできません。
そのため、自分の得意な技術を選んでキャリアプランが必要です。
エンジニアのキャリアプランの立て方
エンジニアがキャリアプランを立てるにあたり、考えておくべきポイントを解説します。
どんな業界に行きたいか・身につけたい技術は何かで選ぶ

今やどんな業界でも、ITを活用しています。IT人材の需要は益々伸びていくことでしょう。
これからエンジニアとしてキャリアプランを考えるにあたって、自分の興味から考える方法があります。
自分の興味が高いもの、例えばゲームなのかファッションなのか、音楽なのかによってキャリアプランは変わってきます。
そして、これから将来的にエンジニアとしてどんなスキルを身につけたいかによっても違ってきます。
- インフラ技術
- コーディング技術など
自分にマッチした技術を選ぶといいでしょう。
働き方で選ぶ

最近は、いろいろな働き方が推進されています。
自分にとってどういう働き方が理想なのか選べる時代なのです。
エンジニアは、パソコンがあればできる仕事も多いため、その自由度や選択肢は豊富です。
<サラリーマン>
・企業に雇われる働き方
・企業に雇われれば一生安泰という時代ではないため常に自分の市場価値を上げていく必要がある
<副業>
・本業で全く違う仕事をしていたとしてもできる
・副業から始めて本業に移行もできる
・自身のキャリアアップにつながる
<パラレルワーク>
・収入よりキャリアを重視した働き方
・本業とは別の企業で働く
・非営利団体で活動する
・幅広いスキルや経験が得られる効率的にキャリアアップを目指す
<フリーランス>
・技術力と経験が物を言う
・仕事管理など全て自分で行う
<起業>
・自らサービスを生み出す
・エンジニアの知識を生かしてサービスを生み出す
・経営能力が必要
働く場所で選ぶ

最近ではコロナ感染症の影響もあり、在宅ワークやリモートワークが活発になっています。
エンジニアの仕事は、パソコンがあればできるので在宅ワークやリモートワークでも対応できる仕事もあります。
ただ、企業によってはセキュリティの面でリモートが難しい場合もあるでしょう。
もしもワークスタイルを充実させたいのであれば、リモートワークできるキャリアプランがいいでしょう。
キャリアプランを立てるための3ステップ
キャリアプランの立て方が分かったところで、実際に3つのステップから自分にあったキャリアプランを立てていきましょう。
ここで大切なのは、より行動を具体化していくことです。
ステップ①自己分析
新卒や就職活動をしたときのような自己分析とエンジニアとしての自己分析とは少し違いがあります。
エンジニアとしてのスキル

これまでのエンジニアとしてのスキルを振り返って、どれだけの知識や経験があるのか自己分析してみましょう。
ここで必要なのは、失敗・成功は関係なく自分のした行動がどういう結果をもたらしたのかに注目していきます。
どうしてそうなったのか、疑問を持ちながら自己分析を進めていくとうまくできるでしょう。
自分の仕事への方向性を探る

今までの自分の仕事に対して、どういうポジションでどういう気持ちで取り組んできたかも自己分析を行います。
自分がどこに自信を持っているのか、苦手意識があるのか探っていきます。
キャリアプランを立てるに当たって、仕事の方向性から立てるのもいいでしょうし、全く違った方向性にするのもいいでしょう。
ステップ②情報収集

エンジニアとして活躍する仲間とのコミュニケーションをとることは非常に有効です。
特にエンジニアをしている人は、勉強会や情報発信が盛んです。
無料の勉強会やオンラインサロンといったものもたくさんあるので、興味があるものに参加するのもいいでしょう。
参加すれば、自分の目指したいキャリアや情報をキャッチできます。
これまで知らなかったような珍しいキャリアの持ち主とも知り合うチャンスになるかも知れません。
ただ、SNSでの情報は中には虚偽の場合もあります。
何でも信じ込むのは危険です。
本当にその情報は正しいのか、自分にとって有益なのか常に考えて読むようにしましょう。
ステップ③目標設定

過去と現在を自己分析で客観的に確認できたら、将来的にどうなりたいのか目標を立てましょう。
ここで大切なのは抽象的な目標ではなく、期間を決めた具体的な目標を立てます。
1年、3年、5年といった短期の目標から長期的な目標まで、具体的に目標を立てましょう。
例えば、2年後にシステムエンジニアになって、ニーズの汲み取りや設計をするといった目標です。
目標があると、やるべき行動がより明白になってきます。
ステップ④計画を立てる

目標が決まったら、その目標をクリアするための明確な計画が必要です。
目標達成に必要なことは何か、自己分析などが生きてきます。
もしも、自分にプログラミング言語の知識に自信がないのであれば、どうやって時間を捻出し勉強の時間を工夫するのか考える必要があります。
時間は、皆に平等に与えられています。
「その内」や「時間ができたら」というような計画ではなく、具体的にどういう行動を起こすのかまでしっかりと計画に盛り込みましょう。
エンジニアのキャリアプラン
では、具体的にエンジニアのキャリアプランをいくつかご紹介していきましょう。
マネジメント

エンジニアのキャリアプランの1つ目として、プログラムという小さいものからプロジェクト全体を総括する役目でもある仕事です。
<役割>
・チームやプロジェクトをマネジメントする
<求められる力>
・チームリーダー
・プロジェクトリーダー
・現場責任者
<将来>
・プロジェクトマネージャー
・プロジェクト責任者
・開発現場で顧客との調整やスケジュール管理、予算管理、人員調整などを行う
・さらにキャリアアップを狙うとなるとVPoE(Vice President of Engineering)の役割も
スペシャリスト

スペシャリストは、より難解な案件や、アルゴリズムに対して向き合う仕事を行います。
エンジニアとして仲間と開発経験を積み上げていき、エンジニアチームの技術リーダーとなるキャリアです。
知識や技術が豊富でリーダーとしての素質が求められます。
<役割>
・コードレビューのアドバイス
・コードの品質管理
・エンジニアのチームの生産性アップ
<求められる力>
・エンジニアチームのコードレビューに時間を割く
・リーダーシップが求められる
<将来>
・CTO(最高技術責任者)
・VPoE(Vice President of Engineering)
ゼネラル

1つの分野に特化している技術があるというよりは、フロントエンドとバックエンドの開発やインフラの構築など幅広く活躍できる人のキャリアです。
<役割>
・フルスタックエンジニアに近い
<求められる力>
・データ分析もアプリケーション開発もできるといったように広い分野で自分のスキルを磨く
<将来>
・1つの分野に特化するよりも何でもやってみたい人向き
3つのキャリアプランをご紹介しましたが、どれがエンジニアのキャリアプランとしていいのかは、その人の価値感や興味によって違ってきます。
自分がどのキャリアアップに最も魅力を感じるのかで選ぶといいでしょう。
例①給与にこだわるならマネジメント

もしも、エンジニアのキャリアプランとしてマネジメントを選ぶ場合として収入が高い方がいいと考える人もいます。
最近は、そこまで差はないにしても、給与が高いのがこの職種です。
例②好きな場所で働きたいならスペシャリスト

スペシャリストは、開発の部分で活躍でき、在宅で働きたい、海外で働きたいといった場所にこだわらない働き方を実現できます。
今のエンジニアとしてのスキルを磨き上げていけば可能でしょう。
IT関連の職業にキャリアアップする方法もある
エンジニアの経験やスキルを生かしてIT関連の職業にキャリアチェンジする方法もあります。
エンジニアがどういったIT関連にキャリアチェンジできるのかご紹介していきます。
研究開発

エンジニアから研究職にキャリアチェンジするのはかなり特殊かも知れませんが、ないとも言い切れません。
<仕事内容>
・広くいろいろな製品やシステムを開発する
・最先端技術の開発にも携われるチャンス
<キャリアアップの場所>
・企業の研究部門
企業の情報システム

社内SEです。
ゼネラリストに近い仕事を行います。
<仕事内容>
・社内ネットワーク管理社内システム開発・保守パソコンの手配・故障時の対応
<キャリアアップの場所>
・自社など
ディレクター

WEBコンテンツの進行管理を行います。
フロントエンドの知識がある人が求められる職種です。
<仕事内容>
・スケジュール管理
・さまざまな職種の人と連携・調整
<キャリアアップの場所>
・自社など
コンサルタント

エンジニアの開発してきたスキルを生かせるキャリアアップの方法です。
<仕事内容>
・企業経営からIT戦略の策定・企画・立案
<キャリアアップの場所>
・フリーランスなど
ITアーキテクト

クライアントの要望に応えるためにシステムの環境設計を行う役職です。
<仕事内容>
・クライアントの要望にあったシステム環境設定
<キャリアアップの場所>
・フリーランスなど
エンジニアのキャリアプラン5年後の例
それでは、エンジニアのキャリアプランとして5年後という期間を限定して例をご紹介していきます。
スペシャリスト

現場の開発と指導の責任があるのがスペシャリストです。
幅広い知識と技術でチームを引っ張っていきます。
<20代前半>
・プログラマとして開発経験を積む
・他の言語・仕組みの理解に努める
<20代後半>
・SEとして難しい案件に関わる
・副業として別業界のプロジェクトにも関わる
<30代>
・技術的な課題を解決できるポジションにメンバーの指導や業務指導も行う
プロジェクトマネージャー

プロジェクトを成功させるべく、案件内容、納期、予算、エンジニアの手配などマネジメントを行います。
<20代前半>
・プログラマ・プロェクトリーダーとして理解を深める
<20代後半>
・SEとして難しい案件に関わる資格取得を目指す
<30代>
・プロェクトマネージャーとしてプロェクトの責任者になる
コンサルタント

企業の経営課題を克服するのが目的で、エンジニア経験を生かして解決手段の提案と実現を目指します。
<20代前半>
・プログラマ・プロェクトリーダーとして理解を深める
<20代後半>
・SEとして難しい案件に関わるクライアントとのコミュニケーション能力を上げていく
・プロェクト業界の知識の理解を深める
<30代>
・今までのスキルや経験を生かして、ITコンサルタントとして転職
エンジニアのキャリア形成におすすめの本
今後のキャリアプランをどう考えるのか、どういう本がおすすめかご紹介していきましょう。
エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド

エンジニアとしての管理職を目指す人におすすめの本です。
エンジニア管理職として必要なスキルやキャリアパスにはどんなものがあり、何が必要なのかが書かれています。
エンジニアとして管理職を目指すのであれば、必読でしょう。
CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド

開発がメインにエンジニア向けの本です。
今もっている技術をどうやって扱えばいいのか解説されています。
エンジニアのキャリアアップから初歩的な部分まで書かれた1冊です。
また、仕事への取り組み方や休日の過ごし方、人生における時間管理についても書かれているので、エンジニアとして読んでおきたい本です。
まとめ
エンジニアのキャリア形成について解説してきました。
今は、まだ考えられないという方でも、イメージしておくことは大切です。
あなたはエンジニアとしてどんなキャリアアップを目指しますか?